検査前コンサルテーションについて
在シンガポールの日系病院の日本メディカルケアでは、検査をお受けいただく前に以下について医師と直接ご相談いただくことをお勧めしております。
- 病歴・家族歴などに基づく検査コースの選び方
- 検査の目的や内容
- 検査についてのご注意
より精密な検査を受けていただくにあたり、お選びいただく検査がご自身に適しているのか、各検査項目はどういった病気の有無を確認しているものなのか、検査にかかわるリスクはあるのだろうか、といった患者さんの不安や疑問を直接医師に相談し、十分納得して検査を受けていただくためのものです。
検査結果について
検査結果は、日本語の結果レポートをお渡しする他に医師による説明や生活指導を行います。生活習慣の見直しや改善を医師から指導させていただくことにより、受けた検査の結果を十分に理解し、病気の予防に有効に役立てていただくためのものです。
検査項目について
脳ドックとは、脳の血管や血液の状態などを検査し、脳梗塞や脳出血などの病変の早期発見・治療に結びつけるための検査です。主な検査はMRIとMRAなどの画像検査と、身体測定、血液検査、心電図検査および医師の問診を行います。
脳梗塞、脳動脈瘤、血管狭窄症などの脳卒中、脳腫瘍といった脳の病気を発見する目的で行います。いずれの疾患も明らかな自覚症状を伴わないことがあります。
主な対象者:中・高年齢者、脳卒中の家族歴、高血圧、肥満、喫煙などのいわゆる危険因子を有する方にお勧めします。
検査項目:身体測定、血圧測定、心電図検査、血液検査、MRI検査、MRA検査、医師の診察
MRI(磁器共鳴映像診断装置)検査とは
頭蓋内の断面を画像化して、脳梗塞や脳内出血などの頭部の病変について手がかりを調べる検査です。MRIは放射線を用いないため、被爆の心配が無く、繰り返して検査をすることができます。
検査方法と注意
MRI装置上のベットに仰向けに横になり、大きな円筒状の装置内へスライドしながら入ります。検査時間はおよそ20から40分です。
検査中は工事現場のような音が耳元で聞こえるため、騒音が不得手な方は苦痛に感じられる場合があります。円筒状の装置の中へ入るため、閉所が不得手の方は恐怖感を持たれるかもしれません。検査中は磁気の影響があるため、金属性の医療器具(ペースメーカー、人工関節、手術用グリップなど)を使用されている方は、検査を受けられない場合があります。アクセサリー類はあらかじめはずしていただきます。
MRA(磁気共鳴血管造影)
MRIの原理を利用した検査で、頭部の血管の様子を詳しく立体映像化します。MRIと同様、放射線を用いないため、被爆の心配が無く、繰り返して検査をすることができます。血管造影と呼ばれますが、造影剤は使用いたしません。
検査方法と注意
MRI装置上のベットに仰向けに横になり、大きな円筒状の装置内へスライドしながら入ります。検査時間はおよそ20から40分です。
検査中は工事現場のような音が耳元で聞こえるため、騒音が不得手な方は苦痛に感じられる場合があります。また円筒状の装置の中へ入るため、閉所が不得手の方は恐怖感を持たれるかもしれません。検査中は磁気の影響のため、金属性の医療器具(ペースメーカー、人工関節、手術用グリップなど)を使用されている方は、検査を受けられない場合があります。アクセサリー類はあらかじめはずしていただきます。
心臓ドックでは、心筋梗塞、不整脈、狭心症といった心疾患の病変の発見を目的としています。検査内容は、身体測定、血液検査、心電図検査、胸部レントゲン検査、超音波検査、冠動脈CT検査などを行います。
主な対象者:喫煙や飲酒をする方、脂質異常や高血圧を指摘されている方、心臓疾患の家族歴や既往歴がある方、自覚症状(胸痛、動悸、息切れ、むくみ等)がある方にお勧めします。
検査項目:身体測定、血圧測定、心電図検査、血液検査、胸部レントゲン検査、心臓超音波検査、冠動脈CT検査、運動負荷心電図検査、医師の診察
心臓超音波検査とは
高周波の超音波を心臓に送り、その反射波を画像に映して診断する検査です。形状の異常を発見する形態的診断と、心臓の働きを見る機能的診断をし、心肥大、弁膜症、心筋梗塞などを調べます。
検査方法と注意
ベットに仰向けに横になり、胸部にゼリー剤を塗って器具(探触子)を胸部に当てます。様々な角度から心臓の断面を確認し、弁や心筋、心腔の形状や動き、血栓等の有無などを確認します。放射線を用いないため被爆の心配が無く、繰り返し検査を受けることができます。検査は安全で特に問題となることはありません。
冠動脈CT検査
冠動脈は心臓を取り巻く血管で、心筋に酸素や栄養分を供給するきわめて大事な血管です。冠動脈CT検査は冠動脈がコレステロール、血栓、老廃物などで狭くなっていないかを調べる検査です。
検査方法と注意
検査台に仰向けになり、円筒状の装置の中へ入ります。造影剤を静脈注射にて投与します。造影剤注入の際に嘔気、冷汗、熱感、かゆみなどを感じることがあります。呼吸困難、突然の血圧低下、意識消失、心停止などの重い副作用もまれに生じることがあります。喘息などのアレルギー歴や心臓疾患がある方は注意が必要です。また、腎臓の機能が低下している時には、造影剤の投与によりさらに悪化する可能性があるので検査はできません。
運動負荷心電図検査(トレッドミル運動負荷検査)
通常の心電図測定は安静時の心臓の状態を検査しますが、この検査では運動時の状態を確認するために行います。一定の運動後に心電図検査を行い、不整脈、心筋梗塞などの病変の発見を目的としています。
検査方法と注意
トレッドミル運動負荷検査は、トレッドミル(ベルトコンベア状の運動器具)で歩行しながら心電図を測定します。測定中にベルトに負荷(傾斜角度や速度の調整)をかけながら経過を測定し、運動終了後には血圧や心電図が安定するまでの経過も測定します。
検査は医師の監視の下に行います。トレッドミルに足の動きが伴わない場合は、機械を停止いたしますが、その際に転倒などされる場合があります。検査中は負荷をかけながら行いますので、血圧の低下・上昇、めまい、脈の乱れ、失神、胸部不快感などの症状がでる場合があります。負荷によって不整脈、心筋梗塞などが誘発された場合、緊急入院などの緊急処置が必要な場合があります。
レディース健診は、女性特有の疾病について集中的に検査を行うための健診です。腫瘍マーカーを含む血液検査や医師による問診のほかに、子宮頸がんの細胞診、乳腺や子宮超音波検査、マンモグラフィーなどの検査を行います。
検査項目(オプション検査を含む):身体測定、血液検査(腫瘍マーカーを含む)、子宮頸がん細胞診、乳腺・子宮超音波検査、マンモグラフィー、ホルモン測定検査、貧血検査、骨密度検査、医師の診察
マンモグラフィー
乳がんの早期発見を目指すための乳房X線検査です。腫瘍の有無、大きさや形、石灰化の有無などを調べます。
主な対象者:初潮の早い方、閉経の遅い方、高齢で第一子を出産された方、長期に渡りホルモン補充療法を受けられた方および乳がんの家族歴のある方は、早めの検査や毎年の検査をお勧めします。
検査方法と注意
上半身裸になって装置の前に立ち、片方の乳房の全体が移るように撮影装置のアクリル板の台に乳房を乗せ、上下から圧迫して撮影します。平らな状態に圧迫することから、痛みを感じる場合があります。
この検査はX線を用いますが、放射線の照射量は通常のX線検査より少なく、体への影響はほとんど心配することはありません。若い女性に繰り返して検査を行うことは好ましくはありません。乳腺の多い若い世代の方は乳がんが見つかりにくいこともあります。
乳腺超音波検査
超音波を送る装置(プローブ)を直接乳房にあて、断面図を画像に写すことによって診断を行います。この検査では、しこり(腫瘍)や乳腺症、乳がんの発見をめざします。
主な対象者:初潮の早い方、閉経の遅い方、高齢で第一子を出産された方、長期に渡りホルモン補充療法を受けられた方および乳がんの家族歴のある方は、早めの検査や毎年の検査をお勧めします。妊娠中もしくは妊娠の可能性がある方には、放射線の被曝がありませんのでお勧めします。
検査方法と注意
ベットの上で仰向けになり、プローブと皮膚の間に空気が入るのを防ぐためのゼリー状の物質を塗り、プローブを滑らせて検査を行います。超音波はX線を使わないため、人体への影響が少ない検査です。検査は安全で特に問題となることはありません。
子宮超音波検査
子宮や卵巣を調べます。がん、筋腫、嚢胞などを見つけることができます。径腹法と径膣法があり、径腹法は観察できる範囲が広く、径膣法は鮮明な画像が得られるという利点があります。
主な対象者:すべての成人女性にお勧めします。
検査方法と注意
径腹法:ベットの上で仰向けになり、プローブと皮膚の間に空気が入るのを防ぐためのゼリー状の物質を腹部に塗り、プローブを滑らせて検査を行います。腹部に傷や湿疹等の異常がなければ、検査は安全で特に問題となることはありません。
径膣法:ベットの上で仰向けになり、プローブにゼリー状の物質を塗り、膣内にプローブを挿入し検査を行います。性交渉の経験のない方や、生理中には適していない検査法です。
子宮頸がん細胞診(パップスメア)
子宮頸部表面の細胞を採り、顕微鏡で癌細胞の有無を確認する検査です。
主な対象者:性交渉の経験のある25歳以上の女性にお勧めします。
検査方法と注意
ベットの上で仰向けになり、膝を曲げた体勢を取ります。膣鏡を使って子宮頚部を観察し、粗い小さなブラシで子宮頚部の細胞を採取します。チクチクしたり、締め付けるような違和感を感じることはありますが、強い痛みはなく、数秒で終わります。生理中はできません。検査前の24時間以内の膣洗浄や膣クリームの使用は避けて下さい。また細胞診は、採取した細胞をすべて回収し特殊な液体に溶かし均一化させ、検査標本を作製する方法(Thin
Prep システム)を用い、より精度の高い細胞診検査を行います。
骨密度検査(骨塩定量検査)
単位体積あたりの骨量すなわち骨の構成要素であるカルシウムやその他のミネラル成分の量を測定する検査で、骨密度測定装置で、腰椎および大腿にX線スキャンを行い調べます。骨粗鬆症による骨折を未然に防ぐために行います。
主な対象者:閉経後の女性、特に65歳以上の方にお勧めします。
検査方法と注意
検査台に数分間仰向けになっていただきます。被爆量はわずかですが、妊娠中もしくは妊娠の可能性のある方にはお勧めしません。
肺がん検診では、腫瘍マーカーを含む総合的な血液検査とCTによる画像診断で早期がんの発見をめざします。
主な対象者:喫煙される方、受動喫煙されている方、血痰などの症状のある方、既往歴・家族歴のある方などが主に対象となります。
検査項目(オプション検査を含む)
身体測定、血液検査(腫瘍マーカーを含む)、胸部CT検査、医師の診察
胸部CT検査
通常の胸部レントゲン撮影では見えにくいがんの早期発見をめざします。胸部CT検査はX線照射による変化をコンピュータで解析し、胸部の断層写真として画像化したものです。肺がん、肺や気管、気管支などの病変を調べます。
検査方法と注意
検査台に仰向けになり、円筒状の装置の中へ入ります。造影剤を静脈注射にて投与します。造影剤注入の際に嘔気、冷汗、熱感、かゆみなどを感じることがあります。呼吸困難、突然の血圧低下、意識消失、心停止などの重い副作用もまれに生じることがあります。喘息などのアレルギー歴や心臓疾患がある方は注意が必要です。また、腎臓の機能が低下している時には、さらに悪化する可能性があるので造影剤は使用できません。
消化管ドック(胃がん検診・大腸がん検診)消化管ドック(胃がん検診・大腸がん検診)
腫瘍マーカーを含む総合的な血液検査と、上部消化管・大腸内視鏡検査を行います。消化器官の腫瘍、ポリープ、潰瘍、癌の早期発見を目指します。
主な対象者:原則、胃がん検診は30歳以上の方に、大腸がん検診は50歳以上の方にお勧めします。但し、家族歴のある方は、早めの検診をお勧めします。
上部消化管内視鏡検査
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ検査)では、内視鏡を口から挿入し、食道や胃、十二指腸に通して内視鏡の先端についた小型カメラで状態を観察します。また、ヘリコバクターピロリ菌の有無についての検査も同時に行います。検査中に悪性を疑う潰瘍やポリープなどの病変が見つかった場合は、その場で組織を一部採取し、病理組織検査をすることができます。
検査方法と注意
当院の検査では、静脈注射による鎮静剤を用い、患者さんが眠った状態で検査を行いますので、検査中の苦痛はほとんどありません。
鎮静剤を用いた後は、車の運転や注意を要する作業などはせず、大事な契約書などに署名することも避けて下さい。検査後に組織を採取した部位から出血する可能性があるので、検査を受けられた日は辛いものや熱いものを食べすぎないようにし、飲酒や熱い風呂は避けて下さい。
大腸内視鏡検査
肛門から内視鏡を挿入し、大腸の粘膜に生じた病変を直接観察する検査です。直腸から盲腸に至る大腸全体で粘膜に生じた炎症や潰瘍、ポリープ、癌、憩室などを調べます。
検査方法と注意
検査の2~3日前から食物繊維を含む食品、野菜や果物の摂取を控えます。検査前日は食事制限と下剤を服用します。検査直前に静脈注射による鎮静剤を使用します。患者さんが眠った状態で検査を行うため、検査中の不快感や苦痛を大幅に和らげます。検査後は1時間半ほど休んだ後に、軽食を取って検査が終了します。検査前に下剤を使用することによる穿孔や出血の危険性がありますので、特に症状がなければ、50歳以上の方、大腸・直腸のがんまたは腺腫の家族歴のある方などに適しています。
鎮静剤を用いた後は、車の運転や注意を要する作業などはせず、大事な契約書などに署名することも避けて下さい。当日の食事は刺激物やアルコールを避け消化のよいものを控えめに摂って下さい。ポリープ切除術をした場合は、数mm大の小さなポリープであっても最低1週間、大きいポリープや複数のポリープでは2週間、飲酒や熱い風呂は避けて下さい。腹痛や腹部膨満、血便があれば、すぐに医師に連絡して下さい。
お申し込みについて
各種ドック健診にはご予約が必要です。
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お問い合わせ:6479-3722 (健康診断担当直通)
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お申し込みの確認
当クリニックで申し込みを確認後、「健康診断確認書」をお送りし、その後「健康診断用問診票」、また検便用カードをご自宅または勤務先にお送りいたします。
健康診断のお申し込み後3日を経過しても確認書が届かない場合は、お手数でございますが、下記へご連絡ください。
TEL : 6479-3722(健康診断室直通)