婦人科外来

婦人科外来

婦人科系の疾患は、自覚症状がないままに進行することも多いため、少しでも症状があれば、産婦人科医に相談したり、健診を受けることが大切です。

月経やおりものについて

  • 月経痛が辛い、出血量が多い
  • 月経不順、生理が来ない、月経以外の不正出血がある
  • 月経前の体調の変化:腹痛、だるい、肩こり、不安が高まったりイライラする
  • おりもののにおいや色、質感がいつもと違う感じ

月経ってなに?
初経年齢は平均12歳、閉経は平均50歳。40年近くのあいだ、女性は月経とつきあっていかなくてはいけません。毎月毎月、出血、生理痛、そして生理前のイライラ…。月経って何であるのでしょうか?
月経は妊娠できる、というサインです。女性は生まれたときには卵巣に卵ができていて、初経が来ると、月に一つずつ排卵します。卵が育ってくると、子宮内膜という妊娠したときに胎児が着床する部分が厚くなり、胎児が着床しなければ、最終的にその子宮内膜が剥がれて血液と一緒に出てくる、これが月経です。

月経不順
月経不順の原因は、排卵がしづらいことでおこる多嚢胞性卵巣症候群、脳の視床下部の機能低下、ストレスなどによるホルモンのバランスの変化など多くの原因が考えられます。

検査や治療方法
妊娠を希望されているかどうかで治療の方針は大きく変わります。妊娠を希望していて、排卵障害がある場合は妊娠を手助けする治療をしていきます。

妊娠を希望していない場合は低用量ピルを使うことが一般的です。ピルは、欧米ではごく一般的な薬なのに、なぜか日本人は抵抗がある方が多いのですが、ホルモンのバランスを整えて無駄な排卵を抑えることによって将来の妊娠率を高めることもできる、優れた薬です。特に、若年者で、しばらく妊娠は考えていないが、将来結婚・出産を希望する方には、特にお勧めしたい治療です。また、プロラクチンという通常妊娠、授乳期に分泌されるホルモンが、妊娠をしていないにもかかわらず上がっている場合は、月経不順の原因になるので、それを下げる治療もします。

月経不順は必ずしも治療が必要なわけではありませんが、体調や、将来の妊娠に影響する可能性がありますので、あまり放置せずに早めにご相談ください。

子宮や卵巣の病気

婦人科系の疾患は無症状のまま進行していることがあります。定期的な検診に加え、少しでも症状や異変を感じたら、日本メディカルケアにご相談ください。日本人の産婦人科医師が診察をいたします。

子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮にできる平滑筋という筋肉の固まり(良性腫瘍)で、それ自体が命に関わる病気ではありませんが、放置すると筋腫がかなりの大きさになることがあります。また、場所によっては、経血量が多くなったり(過多月経)赤ちゃんができづらくなったり(不妊症)します。子宮筋腫は、できた場所によって、子宮粘膜下筋腫、子宮筋層内筋腫、子宮漿膜下筋腫に分けられています。症状としては、過多月経や不妊症のほかにも、不正出血や月経痛、場所や大きさによっては圧迫によって、腰痛や頻尿の原因になることがあります。また筋腫のできた場所によっては症状がおきづらく、相当の大きさになっても症状が現れない場合もあります。

検査と治療方法
超音波検査をすることにより、外来で診断できます。悪性を疑う場合や、大きかったり数が多い場合、手術の方針を立てるときなど、MRI検査を追加することもあります。治療は、大きく分けて、薬剤療法と手術療法があります。妊娠を希望するかどうかや、筋腫のできた場所や大きさなどで方針が変わります。薬剤療法は、ピルなどで症状を軽減させたり、月経を止めるホルモン剤で、偽閉経状態にして子宮筋腫を小さくします。また、手術療法は、挙児希望がある場合は、子宮筋腫のみを摘出する子宮筋腫核出術を行い、今後お子さんを作る予定が無い場合は、子宮筋腫を含めて、子宮全体を切除する子宮全摘術を行います。また、術式としては開腹手術のみでなく、腹腔鏡や子宮鏡を使う手術も積極的に行っています。

子宮内膜症
月経とは子宮内膜が剥がれて出血することで、その子宮内膜が子宮の外にできてしまう(異所性子宮内膜)ことがあり、これを子宮内膜症と呼びます。症状としては生理痛がひどくなる方がほとんどですが、症状のない方もいて、原因不明の不妊症の場合、よく調べると3割以上に子宮内膜症が見つかります。できる場所は、卵巣と腹膜、ダグラス窩といわれる腟と直腸の間が代表的で、まれに腸管や肺など、かなり遠い場所にできることもあります。また、子宮筋層の中に異所性子宮内膜ができた場合は子宮内膜症ではなく、子宮腺筋症と呼びます。

検査と治療
卵巣にできた場合は、エコーで卵巣にできた嚢胞を見つけます。腹膜やダグラス窩に薄く広がった場合や、子宮腺筋症でも小さい場合は画像診断が難しく、内診や直腸診で圧痛や硬結がないかで診断しますが、診断がつかない場合は全身麻酔下に腹腔鏡検査をして直接おなかの中を見ることで確定診断をすることもあります。また、悪性の可能性がある場合や診断が難しい場合は腫瘍マーカーやMRIでさらに詳しく検査をします。

子宮内膜症の治療は、卵巣嚢腫があるかどうか、また挙児希望があるかどうかで方針が変わります。大きめ(4-5cm以上)の卵巣嚢腫がある場合は、挙児希望がなくても、将来の癌化のリスクから、手術をしたほうが良いとされています。すぐに挙児希望がない場合は、低用量ピルを使うことが多いですが、赤ちゃんがほしい場合、妊娠・授乳中はホルモンの作用で子宮内膜症は良くなることが多いので、妊娠すればそればベストです。ただ、子宮内膜症は妊娠しづらくなる病気でもあるので、不妊治療に準じた治療を行い、なるべく早く妊娠できるようにします。手術後は、妊娠率がかなり上がることが報告されていますので、挙児希望の場合は、卵巣嚢腫の大きさに関わらず、早めに手術を組むことを勧められます。なお、当院では、子宮内膜症の方の手術は、ほとんどを腹腔鏡手術(キズの小さい手術)で行っています。

子宮頸がん
子宮下部の管状の部分にできるがんを子宮頸がんといいます。子宮頸がんは子宮がんのうち約7割程度を占めます。以前は発症のピークが40~50歳代でしたが、最近は20~30歳代の若い女性にも増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。また、近年の研究により、子宮頸がんを発症している人の多くが、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに感染していることがわかってきました。HPV をワクチンで予防することにより、将来子宮頸がんになるリスクを下げることができるため、初交前の若年女性には、HPVワクチンを接種することを勧めています。

検査と治療
子宮頸部を綿棒などでこすって細胞を集め、顕微鏡でがん細胞を見つける細胞診検査(パップスメア)を行います。出血などの症状がなくても、20歳を過ぎたら、2年に1回子宮頸がんの検診を受けることが勧められています。また、将来のリスクを評価するHPV(ヒトパピローマウイルス)テストも同じ検体で行えるので、現在の子宮頸がん検診は、子宮頸がんになっているかどうかだけでなく、将来子宮頸がんになる可能性が高いかどうかまで調べることができます。子宮頸部細胞診で陽性だった場合は、子宮頸部組織診(コルポスコピー+バイオプシー)という精密検査を行い、実際にがんやがんの前段階の異形成が出ていないかどうかを確認します。治療に関しては、手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤)の3つを単独、もしくは組み合わせて行います。将来の妊娠の希望、がんの程度などによって治療方針を決めます。ごく初期のがんであれば、レーザー治療や円錐切除など、子宮を温存する治療を行うことが出来、その治療成績も極めて良好です。子宮頸がんは、検診で早期発見が可能で、かつ予防接種で発症リスクを下げることすら可能ですので、定期的な検査を心がけてください。

子宮体癌
子宮の奥の方(子宮体部)の子宮内膜から発生するがんを、子宮体がん(子宮内膜がん)といいます。子宮頸がんより遅めの40代〜50代くらいの年齢にピークがあり、こどもを産んだことが無い方に多いとされていますが、経産婦さんに発生しないというわけではありません。また、症状としては不正出血が多いとされていますので、月経と関係ない時期に出血がある場合は産婦人科でご相談下さい。

検査と治療
日本では、子宮体がん検診として、子宮内膜細胞診を行っていますが、この検査は子宮の中の見えないところから手探りで細胞を採取する検査なので、見えるところから採取する子宮頸がん検診に比べて正診率が低いとされ、多少採取に痛みがあることもあって、日本以外の国ではほとんど行われていません。他の国では、子宮体がんを見つけるためには、まずエコー(経腟超音波検査)を行い子宮内膜の厚さや形などをエコーで慎重にチェックします。それで、子宮体がんが怪しい場合は、細胞診ではなく、もう少し大きい塊を組織診という形で採取します。また、場合によっては子宮鏡という、子宮の中を直接見られる器械で確認します。したがって、シンガポールでの子宮体がん検診とは、細胞診ではなく、エコーで見ることだと考えてください。

治療としては、増殖症と言われる、ごく初期の段階であれば、全面掻爬と言って子宮内膜を全部剥がした上で、ホルモン剤を服用して経過を見ることもありますが、少しでも進行している場合は子宮(場合によっては卵巣も)全部取る手術が必要です。また同時にリンパ節を取って、子宮の外に進んでいないかどうかも確認します。手術で取り切れていない可能性がある場合は、術後に化学療法、放射線療法を追加することが一般的です。比較的予後の良いがんと言われていますが、発見が遅くなると命に関わりますので、少しでも気になる症状があれば、産婦人科をご受診下さい。

卵巣腫瘍(良性)
子宮の左右にある卵巣に発生した腫瘍が卵巣腫瘍です。卵巣腫瘍には様々な種類がありますが、その発生起源から表層上皮性・間質性腫瘍、性索間質性腫瘍、胚細胞腫瘍などに大別され、それぞれに、良性腫瘍、境界悪性腫瘍、悪性腫瘍があります。
主な症状にはおなかの張り、下腹部痛、頻尿などがありますが、小さいうちは無症状で経過することがほとんどで、かなり大きくなっても症状が出ないこともあります。

検査と治療
内診や超音波(エコー)検査で診断します。エコーで悪性が疑われる場合や、大きすぎてエコーでは全貌がわからない場合などは、MRI検査やCT検査を行い、場合によっては腫瘍マーカーを採血して、良性が悪性かを判断します。また、手術で卵巣を取った後の病理検査で診断が確定されることもあります。

治療は手術が原則です。腫瘍の種類や広がり、妊娠の希望などを考慮して治療を判断していきます。卵巣腫瘍核出術という悪い部分だけを取る方法と、付属器摘出術という卵巣全部を取る方法がありますが、当院ではどちらの場合も、卵巣腫瘍が良性であれば、ほとんどの方を腹腔鏡手術という小さいキズで行う手術で行っています。

卵巣がん(卵巣悪性腫瘍)
卵巣にできる悪性腫瘍を卵巣がん(卵巣悪性腫瘍)と呼びます。どちらかと言うと、高齢の方に多いがんですが、若年発症例もあり、10代、20 代での発症もあります。卵巣がんの症状は、卵巣が大きくなり、腹水が貯まるため、お腹が張る、体調不良などの症状が典型的です。非常に見つけづらいがんで、お腹が張る、体調不良などの症状が出たときは、かなり進んでいることが多く、初期に見つけるためには超音波検査をする必要があります。

検査と治療
まずは超音波検査(エコー)で卵巣を確認します。卵巣は、子宮と違って外からアプローチできる場所に無いため、子宮がん検診のように直接細胞を取ることができません。そのため、まずはエコーで卵巣に怪しい影がないか確認し、もしがんが怪しい場合は、MRIや腫瘍マーカーで追加の検査をします。しかし、最終的には、手術をして直接病変を取って顕微鏡で組織を見る病理検査で確定診断をつけます。そのため、良性か悪性かが術前の検査ではっきりしない場合は、手術中に取った標本の一部を病理検査に出す迅速検査を行って悪性か良性かを判断して、術式を決定することがあります。

卵巣がんの標準術式は、両側付属器(卵巣)摘出術+子宮全摘術+リンパ節郭清で、おなかの中に広がっている場合は大網という腸の近くの組織を摘出することもあります。また卵巣の外にがんが広がっていた場合は、化学療法(抗がん剤)を追加します。発見が難しいこともあり、以前は予後不良のがんの代表でしたが、今は抗がん剤の進歩で比較的予後がよくなっています。

乳腺の病気

先進国では比較的乳がんが少ないと言われていた日本ですが、食生活の欧米化や初産年齢の高齢化などライフスタイルの変化にともなって増加傾向にあります。マンモグラフィや超音波(エコー)検査は、触診ではわからないような、小さながんを見つけることができる一方で、触ってわかるような大きさなのに、撮影しづらい位置にあってわからないというようなケースが、非常に希ですが存在します。乳房は体表から触れる場所にある数少ない臓器で、自分で見つけることが可能ですので、たとえ定期的に検診を受けて問題なしでも、自己チェックをして、違和感を感じたときは外来を受診してください。

進行してから見つかったケースが目立つためか、乳がんは発見しづらく治りづらいがんと思っている方も多いようですが、実は最も見つけやすいがんの一つで、マンモグラムなどの画像診断により、数ミリしかないような非常に初期のがんを見つけることができます。

マンモグラムについて

乳がん検診の基本は胸をはさんで撮影をするマンモグラフィです。この検査は長い歴史があり確立した方法ですが、欠点としてほんの少しですがX線の被爆があること、また乳腺が多いと全体が白く写って、得意とする石灰化などの細かい病変が隠れてしまうということがあります。そのため、マンモグラフィ検診は乳腺の多い40歳より若い方には向いていないとされています。しかし、次のようなリスクファクターがある方は、40歳未満でもマンモグラフィ検診をお勧めします。

  • 40歳未満で乳がんを発症した血縁者がいる
  • 年齢を問わず、卵巣がんになった血縁者がいる
  • 年齢を問わず、血縁者に原発乳がんを2個以上発症した人がいる
  • 血縁者に男性乳がんになった人がいる
  • 自分を含め、乳がんになった血縁者が3人以上いる
  • BRCAという遺伝性乳がんの遺伝子変異が確認された血縁者がいる
  • 治療が難しい(トリプルネガティブ)乳がんの血縁者がいる

更年期障害

閉経前後の5年間を更年期と呼び、その症状は自律神経失調症の症状、精神症状、腰痛や関節痛、食欲不振など身体的な症状など様々です。辛い症状があれば、医師にご相談ください。

閉経と更年期症状

閉経とは卵巣の機能が低下し月経が停止することを言い、12ヵ月以上月経が来ないと閉経とされています。閉経前後の5年間を更年期と呼び、他の病気に伴わない様々な症状が現れるものを更年期症状と呼びます。症状は自律神経失調症の症状、精神症状、腰痛や関節痛、食欲不振など身体的な症状など様々です。女性ホルモンは様々な器官に影響を与えていますので、非典型的な症状が多くみられます。他の疾患が否定され、更年期症状の治療が必要と判断されて、はじめて更年期障害という病名がつきます。

治療
更年期症状というのは全ての女性に訪れます。人生80年を超えた今、閉経は残念ながら全ての女性に訪れますので。しかし恐れる必要はありません。月経は、妊娠のために子宮が準備をしている証拠ですが、毎月、毎月、出血するというのは、体には大きな負担です。貧血にもなりますし、生理痛、過多月経、生理前のイライラ、排卵痛・・・女性は毎月休む暇もなく、ホルモンの大波に翻弄されて生きています。いずれホルモンのバランスが安定すれば、以前よりずっと楽な、心安らかな時代が訪れます。もし、つらく感じるほどの更年期症状がおきれば、初めて医者の出番です。女性ホルモンを少し足せば良くなりますし、他にも漢方薬や寝付きを良くする睡眠導入剤、落ち込みを改善する安定剤など、症状を良くする方法はたくさんあります。少しでも心配な症状がありましたら、いつでもご受診下さい。

性感染症

性感染症は陰部のかゆみ、腹痛、不妊、おりもののにおいの原因になり、また放置すれば、不妊、流産などの原因となります。性感染症は症状が無く感染していることも多いので、少しでも気になる症状があるとき、また、パートナーが変わったときなど、検査を考えましょう。

女性用の検査内容と費用

検査項目内容
産婦人科医の問診 
超音波検査 
パップスメアパップスメア HPV
おりもの検査カンジタ、淋菌、クラミジアなど
血液検査梅毒、HIV など
尿検査 

男性向けの検査はクリニックにご相談ください。

カンジタ膣炎
カンジタとは腟の中でカンジタ菌が増えて、おりものの異常やかゆみなどの症状をおこすものです。カンジタは腟の中だけでなく、皮膚や、消化管に存在するいわゆる常在菌ですが、体力の低下や免疫力の低下、また腟内の酸性度の低下などによって増殖します。治療としては、まず、抗真菌薬(腟剤)を処方します。また、原因として、抗生剤を飲んだときなど、腟内のいわゆる善玉菌が死んで酸性度が下がったためにおこりやすくなるので、普通の石鹸ではなく、外陰部専用の酸性の洗浄液で洗うことを勧めています。また免疫機能の改善を促す日常生活の改善、陰部の通気性を良くする、おりものシートは頻繁に交換するなど日常生活でも再発を防ぎます。

性器クラミジア感染症
性行為で細菌の一種であるクラミジアが子宮頸部に感染するもので、最も多い性感染症です。女性は子宮頸管と卵管、男性は尿道に炎症をおこします。女性は水っぽいおりものが増えるのが一般的ですが、無症候性のことも多く、治療をせずに感染を放置していると、子宮内腔を通って、卵管や腹腔内に広がり、不妊や流産の原因となる場合もあります。また分娩時に赤ちゃんに感染し、肺炎や結膜炎をおこすことがありますので、気になる症状があれば、産婦人科で検査を受け、早めに治療をしましょう。

膀胱炎(尿検査)
尿道が男性に比べて直線的で短い女性は、細菌が膀胱に入りやすく、肛門と尿道が近いこともその原因となっています。性行為、免疫機能の低下やストレスなどが要因となる場合もあります。問診や尿検査の後に投薬で治療をします。頻繁に繰り返す場合は、内視鏡などの検査をおすすめします。

子宮頸癌ワクチン(HPVワクチン)

HPVの子宮頸部への感染は性交渉をきっかけに起こるとされ、このワクチンは一度感染したウイルスの治療効果はありませんので、ワクチン接種は、特に初交前の若年女性に推奨されており、日本を含む多くの国では中高生への定期接種ワクチンとして採用されています。
日本では副作用の懸念から、定期接種ワクチンでありながら、2013年に積極的な推奨勧告を取り下げていますが、HPVワクチンの重篤な副作用は他のワクチンと変わらず、WHOは推奨を続けており、現在、世界各国で積極的に摂取が行われています。課題のType 52への対応も解決されたので、将来の 子宮頸がんのリスクを下げるために、ぜひ積極的に接種を受けてください

GARDASIL ®9 (9価型HPVワクチン)接種スケジュール

接種方法接種開始2回目3回目
3回法(すべての年齢)初回(全年齢)2ヵ月後6ヵ月後
2回法(9歳から14歳)初回(9-14歳)6-12ヵ月後-

9歳から14歳は3回法でも可能

子宮頸がんとは
子宮頸がんのほとんどを占める子宮頸部扁平上皮癌は、研究によって、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因になっていることがはっきりしました。そのため、HPV感染を予防することにより子宮頸がんを減らすことが期待され、子宮頸癌ワクチン(HPVワクチン)が開発されました。HPVは、100種類以上の型が存在することが分かっており、皮膚などに存在するごくありふれたウイルスで、通常、感染しても何も起きず自然に治癒します。ただ、子宮頸部や、外陰部、咽頭、肛門などに長期間感染するとがんを引き起こすことがあり、HPVワクチンを打つことにより子宮頸がんの前段階である子宮頸部異形成を防ぐことができることが分かりました。

以前は、欧米でハイリスクといわれている、HPV Type 16とType 18を予防するワクチンが使われていましたが、日本を含むアジア諸国では、HPV Type 52からおこる子宮頸も多いことが分かっており、これも予防できるワクチンの開発が望まれていました。2017年に、シンガポールでは9価型と言われる、HPV52を含む9つのタイプのHPVに予防効果があるワクチンが導入され、今後、子宮頸がんの発生をさらに減らすことが期待されています。またこのワクチンは、やはりHPVでおこるとされる、外陰部や肛門部のイボの尖形コンジローマを予防することもできます。

避妊・ピル処方

当院では低用量ピルを扱っています。避妊を希望される方、月経不順などで低用量ピルを希望される方はご相談下さい。また、避妊に失敗したときは緊急避妊も可能ですので、性交後、できるだけ早めにご受診ください。

診療時間
グレニーグルス院
 外来診察受付時間
 平日 (午前) 9:00〜12:00
    (午後) 2:00〜5:30
 土曜 (午前) 9:00〜12:00
 一般外来はご予約不要です。
 産婦人科は予約制です。
MAP
グレニーグルス院
 所在地 : #03-31, Annexe Block
 Gleneagles Hospital
 6A Napier Road S258500
 TEL : (65)6474-7707
 FAX : (65)6474-4391

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